御書3編

一生成仏抄|任用試験 2016(3月度・座談会御書)

2016年3月度の座談会拝読御書・一生成仏抄は、2016年の任用試験の出題範囲(御書全集の384ページ・2行目から5行目)です。一生成仏抄の拝読範囲のテーマは「幸福と勝利の人生へ生命を磨く唱題行を」、との日蓮大聖人の仰せです。

一生成仏抄の有名な御文であり、繰り返し声を出して拝読し、暗唱できるようになるのが理想です。任用試験では拝読範囲の語句の穴埋め(選択式で)が必ず出題されます。

本文

衆生と云うも仏と云うも亦此くの如し迷う時は衆生と名け悟る時をば仏と名けたり、譬えば闇鏡も磨きぬれば玉と見ゆるが如し、只今も一念無明の迷心は磨かざる鏡なり是を磨かば必ず法性真如の明鏡と成るべし、深く信心を発して日夜朝暮に又懈らず磨くべし何様にしてか磨くべき只南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを是をみがくとは云うなり(御書全集 384ページ・2行目~5行目より引用)

通解

衆生といっても仏といっても、また同様であって、二つにへだてがあるわけではない。迷っている時には衆生と名づけ、覚った時には仏と名づけるのである。たとえば、曇っていて、ものを映さない鏡も、磨けば玉のように見えるようなものである。今の我々凡夫の無明という根本の迷いにおおわれた命は、磨かない鏡のようなものである。これを磨くならば、必ず真実の覚りの智慧の明鏡となるのである。深く信心を奮い起こして、日夜、朝夕に、また、怠ることなく自身の命を磨くべきである。では、どのようにして磨いたらよいのであろうか。ただ、南無妙法蓮華経と唱えること、これが磨くということなのである。

一生成仏抄 拝読範囲のポイント

任用試験受験者向けの、一生成仏抄のポイントです。

一生成仏抄の背景

一生成仏抄は、建長7年(1255年)に著されて、富木常忍(ときじょうにん)に与えられたお手紙、とされています。

題号の一生成仏抄の「一生成仏(いっしょうじょうぶつ)」とは何か。それは、「凡夫(ぼんぷ:普通の人)が一生のうちに成仏できる」ということです。拝読御書では、この一生成仏のための肝心(かんじん)である「唱題行」について、その法理と実践を明確に示されています。

一生成仏抄のポイント

南無妙法蓮華経の「唱題行」こそが、「迷い」の生命を「覚り(さとり)」の生命に転換していく変革のかなめとなります。

「磨かざる鏡」とは、無明という根本の迷いにおおわれた苦悩する生命のたとえです。「明鏡」とは、真実の覚りの生命のたとえです。題目を唱え切っていけば、無明を打ち払って、智慧が光る仏の生命を開いていくことができるのです。

生命を練磨しゆく「唱題行」の実践には、「深く信心を発して」ということと、「日夜朝暮にまた懈らず」ということの「2つの側面」が不可欠です。

無明と戦うために、深い信心を起こす「勇敢な心」、そしてたゆむことのない「持続の信心」が大切であることを、日蓮大聖人は明確に仰せになっています。

一生成仏抄の練習問題

◆ 一生成仏抄は誰に与えられたとされるお手紙ですか?

◆ 下記の御文の、①、②、③に入ることばは何ですか?

『深く[ ① ]を発して[ ② ]に又懈らず磨くべし何様にしてか磨くべき只[ ③ ]と唱へたてまつるを是をみがくとは云うなり』

以上。