御書3編

開目抄|任用試験 2016(5月度・座談会御書)

2016年5月度の座談会拝読御書・開目抄は、2016年の任用試験の出題範囲(御書全集の234ページ・7行目から9行目まで)です。開目抄の拝読範囲のテーマは「強き信心に立て!苦難を勝ち越えよ」、との日蓮大聖人の仰せです。

開目抄の有名な御文であり、繰り返し声を出して拝読し、暗唱できるようになるのが理想です。任用試験では拝読範囲の語句の穴埋め(選択式で)が必ず出題されます。

本文

我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば自然に仏界にいたるべし、天の加護なき事を疑はざれ現世の安穏ならざる事をなげかざれ、我が弟子に朝夕教えしかども・疑いを・をこして皆すてけんつたなき者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし(御書全集 234ページ・7行目~9行目より引用)

通解

私ならびに私の弟子は、諸難があっても、疑う心がなければ、自然に仏界に至ることが出来るのである。諸天の加護がないからといって疑ってはならない。現世が安穏ではないことを嘆いてはならない。私の弟子に朝夕、このことを教えてきたけれども、疑いを起こして皆、信心を捨ててしまったようである。拙い者の習性として、約束したことを、いざという時には忘れてしまうものである。

開目抄 拝読範囲のポイント

任用試験受験者向けの、開目抄のポイントです。

開目抄の背景

開目抄は、日蓮大聖人こそ、主師親(しゅ・し・しん)の三徳を具えた存在であること。つまり、末法(まっぽう)の御本仏(ごほんぶつ)であると明かされた「重書(じゅうしょ):重要な御書」です。

本抄は、大聖人が佐渡流罪中の文永9年(1272年)2月に、四条金吾(しじょうきんご)に託して宛てられ、門下一同に与えられたお手紙です。

題号の開目抄の「開目(かいもく)」とは、「目を開く」ということ。末法の一切衆生を救う日蓮大聖人に「目を開け」という呼びかけとも拝されます。

開目抄のポイント

一生成仏を目指す信心にあって「三障四魔(さんしょうしま)」が競い起こり、「三類の強敵(さんるいのごうてき)」が出現しても、諸天の加護がないことや現世が安穏ではないことを疑ったり、嘆いたりしてはならないと教えられています。

「疑う心なくば」とは、大聖人と同じく「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」の「強き信心」を貫いていく、ということです。これによって、いかなる苦難も勝ち越えていける力強い生命力を涌現させることができるのです。そして、「自然」に成仏の境涯を開いていけると仰せです。

「まことの時」とは、「いざという時」ということです。いざという時こそ、師弟の約束を決して忘れることなく、強き信心で立ち向かっていかなくてはならないと仰せです。

開目抄の練習問題

◆ 開目抄は門下一同に与えられたお手紙です。「誰に」託したお手紙ですか?

◆ 下記の御文の、①、②、③に入ることばは何ですか?

『我並びに我が弟子・諸難ありとも[ ① ]なくば自然に仏界にいたるべし、天の加護なき事を疑はざれ現世の安穏ならざる事をなげかざれ、我が弟子に[ ② ]教えしかども・疑いを・をこして皆すてけんつたなき者のならひは約束せし事を・[ ③ ]はわするるなるべし』

以上。