御書3編

兄弟抄|任用試験 2016(4月度・座談会御書)

2016年4月度の座談会拝読御書・兄弟抄は、2016年の任用試験の出題範囲(御書全集の1087ページ・15行目から18行目)です。兄弟抄の拝読範囲のテーマは「師弟不二の闘争で乗り越えよ」、との日蓮大聖人の仰せです。

兄弟抄の有名な御文であり、繰り返し声を出して拝読し、暗唱できるようになるのが理想です。任用試験では拝読範囲の語句の穴埋め(選択式で)が必ず出題されます。

本文

此の法門を申すには必ず魔出来すべし魔競はずは正法と知るべからず、第五の巻に云く「行解既に勤めぬれば三障四魔紛然として競い起る乃至随う可らず畏る可らず之に随えば将に人をして悪道に向わしむ之を畏れば正法を修することを妨ぐ」等云云、此の釈は日蓮が身に当るのみならず門家の明鏡なり謹んで習い伝えて未来の資糧とせよ。(御書全集 1087ページ・15行目~18行目より引用)

通解

この法門を説いていくならば、必ず魔が現れるのである。魔が競い起こらなければ、正法であると知ることはできない。天台の『摩訶止観(まかしかん)』の第5巻には、次のように述べられている。「修行が進み、仏法の理解が深まってくると、三障四魔が入り乱れて競い起こってくる。・・・これにしたがってはならない。恐れてもならない。これにしたがったならば、三障四魔は人を悪道に向かわせる。これを恐れたならば、仏道修行をさまたげられる」。この釈(しゃく)の文は、日蓮の身にあてはまるだけではなく、わが門流の明鏡である。謹んで習い伝え、未来にわたって信心の糧とすべきである。

兄弟抄 拝読範囲のポイント

任用試験受験者向けの、兄弟抄のポイントです。

兄弟抄の背景

兄弟抄は、武蔵野国池上(むさしのくにいけがみ)の門下、池上宗仲・宗長(いけがみむねなか・むねなが)という兄弟とその夫人たちに宛てられたお手紙です。

池上家は、鎌倉幕府に仕える有力な工匠(こうしょう)でしたが、父が兄弟の信仰に大反対。兄の宗仲を勘当(かんどう⇒あとつぎの権利をすべて奪う)したのです。

兄弟抄のポイント

仏法の理解と実践が進めば、「三障四魔(さんしょうしま)」が必ず競い起こります。天台大師の摩訶止観の文にいわく、『行解既に勤めぬれば』とあるとおりです。それは、私たちが「行学の二道」に励み、信心の確信が深まろうとしている時のことです。

七つの障魔(しょうま)、つまり「三障四魔」は「紛然として」、つまり入り乱れるようにして競い起こります。

日蓮大聖人は、障魔に紛動されないためには、「随(したが)ってはならない」・「畏(おそ)れてはならない」と仰せです。「随(したが)ってはならない」ためには、魔を魔であると見破る「智慧」が必要です。「畏(おそ)れてはならない」ためには、魔に立ち向かう「勇気」が必要です。南無妙法蓮華経の唱題行によって、「智慧」と「勇気」を発揮させて、いかなる障魔をも打ち破ることができるのです。

兄弟抄の練習問題

◆ 兄弟抄は誰に与えられたお手紙(御書)ですか?

◆ 下記の御文の、①、②、③に入ることばは何ですか(①は2つ)?

『此の法門を申すには必ず[ ① ]出来すべし[ ① ]競はずは正法と知るべからず、第五の巻に云く「行解既に勤めぬれば三障四魔[ ② ]として競い起る乃至随う可らず畏る可らず之に随えば将に人をして悪道に向わしむ之を畏れば正法を修することを妨ぐ」等云云、此の釈は日蓮が身に当るのみならず門家の[ ③ ]なり謹んで習い伝えて未来の資糧とせよ』

以上。